2006年01月21日
シリコンバレー寄席直前インタビュー第二回 スシトミシェフ、北村たかおさん
インタビューの第二回には、この人なしではシリコンバレー寄席は実現しなかったという仕掛け人であり、毎回寄席の成功のために多大な努力をなさっている、マウンテンビューの日本料理店、「寿司豊味」のオーナーシェフである北村たかおさんにお願いしました。 たかおさんは、第一回のシリコンバレー寄席からノンプロフィットでこのイベントの企画、運営を続けていらっしゃいます。
編集長 「シリコンバレー寄席はたかおさんを初めとする裏方のみなさんと、リピーターのお客さんの熱意で続いているんですね。」
そう受け取ってもらえてうれしいです。まさしくそのとおり。私の熱意ではなく、第一回の公演で集まっていただいた皆さんから、多くの感謝のお言葉をいただき、そのときの感動が忘れられなくて続けているわけです。もちろんこの反応は師匠にもお伝えし、師匠もそれに応えて来てくださるわけです。 ちなみに第一回公演の演目は、「時そば」「目黒のさんま」「文七元結」で、「文七元結」では、初めての生の高座で、涙が止まらなかったという方がたくさんいました。
・ シリコンバレー寄席を始めたきっかけは?
編集長 「ハイテクの中心、シリコンバレーと日本の古典芸能の落語というと、なにかミスマッチな感じがしますが、どうしてここシリコンバレーで日本から落語家 を招いての寄席を始めたのですか?」
スシトミ開店以来の常連さんの紹介です。当時、そのお客さんはニューヨークに転勤されていたのですが、かねてからご贔屓の師匠にニューヨーク公演を持ちかけられたのです。
そのときこのお客さんに、「せっかくだからスシトミでもやらないか?」 と言われたのがきっかけで師匠を初めて知りました。「落語は本来お座敷芸でもあるのだから、スシトミの座敷でやってもらえばいいんだ。」 ともおっしゃっていただいたのですが、せっかくの機会だし、自分たちだけではもったいないと考えてお客さんや友人に声をかけたところ、多くの方にお集まりいただくことになりました。ところが公演直前にニューヨークではあのテロ事件があり、これはもうキャンセルだ、と思いきや、師匠自らが 「それならなおさらのこと、自分の芸が、邦人の方の励みになるのであれば・・・」 ということで第一回目のニューヨーク&シリコンバレー公演が、テロ直後の10月初旬に実現しました。
・ 師匠とのご関係は?
編集長 「落語家も大勢いらっしゃいますが、三遊亭圓橘師匠を毎年招待されているのはなぜですか? 師匠のどんなところが好きで、どんなところを皆さんにお勧めしますか?」
単純に、自分の知らない古典芸能の世界で生きている芸人さんだということでも尊敬しておりますが、その最初の公演の際、私どもで集めた師匠へのご祝儀を、そのままテロの被害者の方救済にお役立てくださいということで、全額寄付されたたことも大きな理由です。これはユニオンバンクを通じてニューヨーク市に贈られました。師匠のサービス精神(特に酒宴の際)が、私たちサービス業にも通じる点や、その飾らない人柄、などもありますが、とにもかくにも、圓橘師匠ご自身が、この地での公演を楽しまれているのが大きいのではないでしょうか。
・ 落語を聴くのが初めてでも大丈夫ですか?
編集長 「興味はあるけれど、落語を聴いたことがないのでという方も多いと思います。 初めての方や、お子さん、日本人以外の方を連れてゆくとすれば、何か注意するべき点、あらかじめ覚えておくと良いことなどはありますか? 日本語がわからなくても楽しめますか?」
これまた師匠を紹介してくださったお客さんの受け売りですが、落語はシェークスピア劇だそうです。通常アメリカのトークショーや、日本の漫才などもそうですが、語り手は常に観客、もしくは目の前の相方を相手に話し、演じているそうです。ところが落語の語り手は、話のなかにでてくる登場人物(誰にも見えない)を相手にしており、なおかつその相手、もちろん語り手自身も、老若男女千差万別、話の流れとともにどんどん変わっていくわけですね。ひとりですべてを演じる。時代が変わり、もうすでに話の背景が理解できない事も多々ありますが、その目線、その仕草、その語り口など、長い修行期間を経て受け継がれてきた古典芸能のひとつである落語を、生で感じ取っていただけたらと思います。そのために、マイクを必要としない範囲での会場設定もしております。理解することは、日本人でも、大人でも無理な点があるかもしれませんが、感じ取ることでしたら、言葉や年齢の壁などはないかと思います。
編集長 「イベントの規模はどれくらいか教えていただけますか? 」
ユニオンバンクパロアルト支店、そしてサンノゼ支店のご協力を得て、これまでずっと無料で会議室をお借りしてきました。第一回は60人。二回目以降は土日の二回公演にして各70名ずつ。通算ではのべ340人のお客様に来ていただきました。また前回の公演では、シリコンバレー公演のほかに、日本人会と領事館の支援を得て、サンフランシスコ公演もされました。これには約60名お集まりいただきました。今回は100名x2日の200名で、これまでで最大規模になるかと思います。
・ 今まで一番苦労した点
編集長「こうしたイベントを本職の間に手がけるのは大変なことだと思いますが、これまでで一番苦労した点についてお聞かせください」
おかげさまで準備や後始末に関しては、多くの方にボランティアで力を貸していただいておりますので、苦労はありません。 ユニオンバンクのサンノゼ支店長からは、「いろんな団体に会議室を貸してきているけど、あなたたちの会のあとほどきれいにしてあることはない。」 と言っていただきました。 なんの打ち合わせもせず、ただ片付けを手伝ってもらっているだけなのに、こう言われると、とてもうれしいですね。皆様に感謝です。 しいて苦労を言えば、師匠の酒癖でしょうか。さすが噺家。よく飲まれます。師匠!! 公演前の飲みすぎにはご注意くださいね。高座で船をこがない様に。流石白熱の演技・・・と思いきや、あの時は本当に眠かったのではないのでしょうか?
・ やっていて良かったと思える時。 続けている理由
編集長「シリコンバレー寄席をやっていて良かったと思える経験はありますか? 何が原動力となってこのイベントを続けられているのですか?」
日本にいても、生の落語に触れる機会はそうないのではないでしょうか? 落語ファン、初めての人を問わず、公演後に 「次回はいつ?」 と聞かれ、師匠に 「今度はいつ来ればいいの?」 と言われれば、もう次のことを考えざるをえませんよね。自ら楽しみ、お客様に喜ばれ、師匠に感謝される。やめる理由がありません。
・ 初めての方への両師匠の見所
編集長 「三遊亭圓橘師匠の落語を聴くのがはじめてという方に、何か予備知識やアドバイス、見所などあれば教えてください。」
今回は三遊亭圓橘師匠とその一番弟子小圓朝師匠による初めての二人会です。真打ち襲名披露なんて、おそらく日本でも立ち会うことができる方はそういないと思います。 この公演は圓橘師匠たっての願いで、「 三遊亭圓之助改め四代目三遊亭小圓朝サンノゼ襲名披露」 をぜひ企画し、実現してもらえまいか? との直筆お手紙をいただいて動いたものです。落語に加えて、襲名披露という儀式に立ち会う機会に、ぜひ皆さんも参加しませんか? 最後になりましたが、毎回お手伝いしてくださるボランティアのみなさん、そしてレストラン久保田、I.M.P FOODS をはじめとするスポンサー各社ならびに個人スポンサーの皆様にも この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
編集長 「お忙しい中ご協力ありがとうございました」
「第四回シリコンバレー寄席 三遊亭圓之助改め四代目三遊亭小圓朝サンノゼ襲名披露」の日時は2月25日(土曜日)と26日(日曜日)。場所はサンノゼ日本町、SUSHIMARUのある未来堂ビルディング内の多目的ホールです。 詳細はこちら。 クレジットカードによるチケットのオンライン購入も可能です。
投稿者 Owner : 2006年01月21日 10:26
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kosa-ca.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/699
コメント
コメントしてください



