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【おまけコラム】 バナナ密輸事件

イギリスの帰りにワシントンDCに用があったのでニューヨーク経由で入国したのですが、その際に税関で捕まってしまいました。 なかなかバゲッジクレームに荷物が流れてこないので、係員に聞いてみたら奥のほうに連れて行かれ「おまえの荷物はこれか?」と私の荷物を指差しています。 まずい、イギリスの空港でマフィアから受け取った乾燥大麻樹脂50Kgがバレたか、と一瞬あせりましたが、よく考えてみればそんなものは入っていないので、大きな顔をして「何かトラブルでも?」と聞くと、「この中に税関申告書で申告していないものが入ってないか?」というのです。 「そのようなものはありません」と答えると「間違いはないか?」と聞き返します。 よく見ればとなりにワンちゃんがいるので、犬が何かをかぎ分けたようです。 臭うといえば確かに洗っていない洗濯物は入っていますが、汚れた洗濯物を輸入してはいけないという法律はなかったはずです。 「間違いない」と答えるとさらに「食品は無いか? 肉類やフルーツが入っているのではないか?」と聞いてきます。 かなり自信があるようです。 そこで、ふと思い出しました。 

あるんです。 バナナ。

帰国前に娘達に「おみやげはなにがいい?」と聞いたところ、下の娘が「バナナ」と答えたので、イギリスのホテルの朝食から一本貰って帰って鞄に入れていたのでした。 しかし、イギリスのお土産にバナナを要求する娘も変わり者ですが、そのリクエストに答えて本当にバナナを持ち帰ろうとした編集長もどうかしてますね。 
「ほら、イギリスのバナナだよ、大英帝国の歴史をかんじさせるだろう?」
「ほんとだパパ、気品高いイギリス王室の香りがするね」
なんて会話を期待していたのでしょうか。 ここで私は悪意がなかったことをアピールするために大げさに「そうだ、思い出した、朝食代わりに食べようと思っていたバナナがまだ入っているかもしれません」と伝えました。 さすがに正直に「子供におみやげ」と説明してもかえって怪しまれてしまいそうです。 すると係員は「バナナね、他には?」と聞いてきます。 「他にはありません。 すぐに出して捨てます」と答えると、「それは向こうの部屋で検査官と話してくれ」、といい私の税関申告書になにやら赤いペンで書き込んでいます。 そしてワンちゃんには「いい子ね、また正解よ」なんてご褒美を上げています。 聞いたら鞄の中に入っているのが肉類なのかフルーツなのか、麻薬なのか火薬なのかを嗅ぎわけて合図するそうです。 

てなわけで、「本当にバナナを持ってきたの」と娘を喜ばしつつ、カミさんを笑わせる作戦だったイギリスのバナナは無残にも没収され、「税関申告書は正直に記入するように」とこっぴどく怒られたのでした。 バナナ一本で。

ちなみにイギリスにバナナ農園はありません。 


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Last Update : 2003/12/07