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■ シュワちゃん圧勝は何を意味するのか

2003/10/08 (Wed)

アメリカ史上2回目の任期中の知事のリコールを求める署名運動から始まり、慌しい3ヶ月の選挙戦の中で135人の候補者が乱立、ハリウッドスターの出馬に州外はもちろん世界中の注目を集めた選挙となった今回のカリフォルニア州知事選挙。 蓋を開ければシュワルツェネガー候補の圧勝となった。 

今回のリコールはそもそもデイビスが汚職をしたとか、具体的な理由があったわけではなく、ただカリフォルニアの不景気に対する庶民の不満を共和党が旨く利用してデイビスに責任を押し付け、リコールすれば全てがうまくいくような印象を与えたことで実現しものだ。 署名運動をおこした共和党のアイザ氏は早々に選挙戦を降り、シュワ候補の後押しに回った。 シュワ候補は出馬を迷っているそぶりを続け周囲の注目を十分にひきつけてから、人気番組の生放送で出馬を表明。 それ以降マスコミの注目の的となりつづけた。 選挙キャンペーンに必要でかつ最もお金がかかる「メディアへの露出」という点ではシュワ候補はすでに他の候補より断然有利にな位置にあったといえる。

民主党の最大の失敗は、デイビスのリコール阻止と、ブスタマンテ候補の支持という矛盾する二つのオプションに力を分散されてしまったことだろう。 早くからデイビスを切り捨てるか、もしくは最後までデイビス留任に全力を尽くしていれば勝機はあったはずだ。 これまで何度と無く指摘されたように、シュワ候補は政治の経験が無く州知事としての素質があるかどうかは疑わしい。 

なぜそんな彼が選挙で圧勝したのか。 まず第一に、具体的な政策の言及を避け、現政府と市民との隔たりがあること、自分は一般市民側でクリーンな政治ができることだけを強調してアピール。 「この人具体的な政策なんもないんじゃないの?」と低く評価させておいて、唯一参加した討論会で一夜漬け効果で「まあまあ」の発言をしたおかげで、期待が低かっただけに「やればできるじゃないか」と好印象を獲得。 政権の欲しい共和党は複数候補では共倒れの可能性があることを十分理解し、一番知事の座に近いと思われるシュワ候補を公認候補として支援を決定。 最後の週に入って、デイビスはシュワちゃんのセクハラ問題とヒトラー問題をぶつけるが、相手に反論の機会を与えず、有権者に判断を委ねる「ギリギリゴシップ作戦」が今回はデイビスに悪印象を与え、シュワちゃんがいじめられているような印象を作り出してしまった。 

というわけで、要ははクリーンなイメージと十分なお金とグラマーな奥さんを持つ有名人なら誰でも同じシナリオで選挙に勝てたような気がします。 問題はこれから。 新たな税の導入をしないことや、デイビス増税の一部を廃止することを公約したシュワちゃんが、財政難のカリフォルニアの台所をどうきりもみしてゆくのか。 知事が気に入らなければリコールできるという前歴を作ってしまったのが自分なだけに、選挙に当選したからといって安心してはいられません。 民主党は当然シュワ知事リコールのチャンスをうかがっているでしょう。 選挙戦のようにもう一度シュワルツェネガー・マジックを発揮してカリフォルニアを元気にして、財政、教育、雇用などの問題点をガンガン解決してもらおうじゃないですか。 ま、例え何もできなくても普段投票所に通わない政治に無関心な人にも刺激を与えたという点では、すでに一つの仕事をしたといえるかもしれません。


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Last Update : 2003/10/08